歌舞伎のアウェー@川口リリア
歌舞伎の恒例、夏の公文協の巡業西コースを観に川口リリアまでいってきました。アウェーで埼玉ですよ!
演目は「葛の葉」と「勧進帳」。夏の巡業でよくあるお目見得口上が今回はないのだな。
「葛の葉」は、「蘆屋道満大内鑑」という長い作品の一部分です。こちらのサイト(「演目手帖」さん)に全編のあらすじが載っています。これ、大川橋蔵の「恋や恋なすな恋」の元ネタ作品にあたると思います。ちなみに「恋や恋なすな恋」って、安倍保名が恋人の姿を追ってお花畑をさまよう舞踊の「保名」の歌い出し「恋や恋、われ中空になすな恋」からとったのでしょう。
恋人・榊の前を失った安倍保名のもとに、彼に救われた狐が恋人の姿をして現われ、そのまま夫婦になって童子丸という子も生まれます。この子が後の安倍清明。
ある日、榊の前の両親が、榊の前の妹の葛の葉姫を連れて保名の家を訪れます。葛の葉姫と保名を夫婦にしたいと思ったからです。しかし彼らの前に現われたのは葛の葉姫にソックリな女性。保名はそれに驚き、妻に正体を尋ねます。妻は本物の葛の葉姫が現われたからにはもう保名と暮らせないと思い、障子に「恋しくば たずね来てみよ 和泉なる 信田の森の 恨み葛の葉」と筆でしたためて姿を消します。
葛の葉姫と狐の葛の葉は同じ人が演じるので、お姫様の姿と女房の姿で何度か早替わりを繰り返すのが面白い。狐の本性を現してからは屏風を遠くから逆さにしたり、門を開閉するような演出も出てきます。障子に歌を残すときは左右の手ばかりでなく、童子丸を抱えて口に筆を加えて字を書くという大技まで出てきます。
なんだか歌舞伎界の特撮モノみたいだなあ。
こういう風にビジュアル的に分かりやすくて、内容も親子の別れという分かりやすいテーマなので、歌舞伎初めての人にはよさそうな作品です。
葛の葉を演じた魁春さんは姫も女房もイける方なので安心してみることができました。
「勧進帳」。うーむ、、、あまり文句は書きたくないのだけど今回は今まで観た「勧進帳」の中で最悪だったなあ。舞台のほうじゃなくて、幕が閉まってからが。
弁慶の飛び六方のときに下座音楽に合わせて手拍子が起きちゃったんですね。。。しかも客の中でそうなるように誘導して叩いているヤツがいたぞ!
おまけに弁慶が花道を引っ込んだ後にカーテンコールで現われた。富樫がせっかく逃がしてくれたんだから、早く陸奥の国に行くべきだと思うのだが。
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