「四谷怪談」
角川シネマ新宿で大映の怪談映画特集をやってます。
昨日、長谷川一夫版「四谷怪談」(1959・大映京都)を観てきました。
あらすじはコチラ(キネマ旬報DB)
天知茂版「東海道四谷怪談」と競作になった作品で、前から観てみたかった一本。
うーむ、しかしこの作品、四谷怪談のようで四谷怪談でない話の展開でありました。
・伊右衛門がお岩さんに親切!で、しかしお梅さんの恋心も受け入れてしまう。色悪じゃなくて二枚目だなあ。
・お岩さんの死に、伊右衛門はほとんど関わっていない。直助と伊右衛門の悪い仲間とお梅・お槇が主導。
お岩さんの敵討ちを伊右衛門がやっちゃう!
・腫れ上がる場所は「お岩さんは右、累は左」というお約束があるのだけど、この作品のお岩さんは左側が腫れ上がっていた。
なんていう設定になっているんですね。
伊右衛門の描き方も、お岩さんをいたわって「釣りに行こう!」と言って二人で準備を始めた矢先に悪い仲間が家を尋ねてきて伊右衛門を誘ったとたんに「出かけてくる!」と出ていちゃったり、なんというか伊右衛門をいい人に描きつつ、四谷怪談のお約束の展開になるときには悪人モードが入るというナゾのキャラ設定であった。
この辺、長谷川一夫に悪役をやらせちゃいかん!という配慮かなんかなんでしょうかねえ。しかしどうも消化不良な一本でありました。
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