6月の歌舞伎座(昼の部)
昨晩は、半分寝ながらW杯の最終予選を観ておりました。
謎のオフサイド(大久保のシュートのやつ)、岡ちゃん謎の退席など例によりものすごいアウェーの状態でありましたが、前回に引き続き世界で一番目に出場決定。めでたい。
昼間は歌舞伎座の昼の部に行っておりました。
「草摺引」
5月にいろいろあって、心の中にいっぱいもやもやしたものがあったのだけど、セリで五郎と舞鶴が上がってくるのを見ていたらなぜか心がすっとした。
魁春さんは、ほんわかとしながらその奥には凛としたものがあって、舞鶴が良く似合う役者だと思う。
「角力場」
大柄な吉右衛門が、ちょこちょこした放駒をやっていたのが面白かった。
「蝶の道行」
武智鉄二構成・演出!
蛍光塗料で描かれた蝶、大きくてけばけばしい花の描かれたセット、責め苦の場面の炎が燃え上がるライティング、幕切れに降りしきる蓮の花など結構過剰な演出は、1962年に上演したときは新しい挑戦だったのかな、と思う。
花の陰から小槙が助国に触れて存在を知らせるところ、助国が小槙の袖の下から顔をのぞかせる振り付けが珍しくていい。
ところで、梅玉さんの助国で「けいせい倭荘子」の通しをやってくれないだろうか。
「女殺油地獄」
なんだか新東宝の映画みたいなタイトルだ。
仁左衛門さんの与兵衛は、行き当たりばったりで生きている困ったヤツを鮮やかに(という表現は変かもしれないのだけど、本当にそうなんだ)演じている。野崎参りのときのけんか腰な態度から一転して弱気になりつつ、でも虚勢を張るところなんて実に面白い。
そしてお吉を殺すところの殺しを楽しんでいるかのような様子がぞっとする。
ちなみに与兵衛がお吉を斬りつけて、油がこぼれ始める場面は、静かな中で油が少しずつ流れ出す音が次に起こるであろう場面を予想させてこれまた怖い。
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