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2009/10/05

最近観た映画と芝居

ざっと最近観た映画と芝居の感想をば。

シネマート六本木での中川信夫レトロスペクティヴにて。
「思春の泉」(1953・新東宝)
終盤の、結婚式と時造・モヨ子の揉め事が同時進行していくシーンの人物の出入り、場面の移り変わりが鮮やかでワクワクした。宇津井健が当時の農村の健やかな青年って感じでイイ。左幸子、はじけててキュート。
東野英治郎が後年の水戸黄門のように揉め事を裁くのが面白い。

「『粘土のお面』より かあちゃん」(1961・新東宝)
北沢典子扮する木村先生と二木てるみ扮する正子が別れるシーンは、小学校のときに大好きだった先生が産休でお休みするときの寂しさを思い出して胸がきゅんとした。
終了後、二木てるみさんのトークショーあり。弟の稔役を演じた津沢彰秀さんと約50年ぶりの再会を果たすというサプライズもありました。

ラピュタ阿佐ヶ谷にて。
「トラン・ブーラン 月の光」(1954・新東宝)
先の大戦下のマレー半島を舞台に、日本兵(小笠原弘)と現地の娘さん(雪村いづみ)の切ない恋を描く。先日亡くなった松林宗恵氏が監督している。
雪村いづみはとにかくかわいい!!そして「トラン・ブーラン」はマレー近辺の歌らしく、なかなかいいメロディ。小笠原弘は、いいお兄さんという感じだ。それにしても、鐘のなっていた頃の新東宝は高島忠夫とか宇津井健とか小笠原弘とか明朗系キャラのほうが仕事来てますな。
いづみタンの兄が沼田曜一で、ちょっとキュートなキャラが気に入った。その婚約者が三原葉子。三原葉子、マレー語しゃべっても彼女のセリフの言い方になっていて味わい深い。
そして、われらの天知茂様も出演しているが、現地のゲリラ隊長でしかも部下が殿山泰司だ!!ビジュアルは黒塗りした「恐怖のカービン銃」の大津みたいで、セリフは全部マレー語・・・。→巻き舌の発音はうまかったと思うが。
あと、加東大介の佐々木一等兵のユーモラスなたたずまい、細川俊夫や三村恭二の士官は、「ああ、こういう人いたんだろうんなあ」というリアルさを感じました。

歌舞伎座の9月大歌舞伎
「浮世柄比翼稲妻」の「鈴が森」
梅玉丈の「鈴が森」白井権八を長年みたいと思っていたのだけど、夢がやっとかなった(泣)。
刀の扱いの丁寧さ、折り目正しさ(権八はお武家さんだから)、長兵衛への礼儀正しさなど結構な権八でありました。
権八が雲助を斬ってから、花道の七三に行って身構えたところで蜩の合方が入る場面、ゾクゾクしますな。立ち回り好きなので。

再びラピュタ阿佐ヶ谷にて。
「忍法忠臣蔵」(1965・東映京都)
丹波先生の役のたたずまいは、「亡八武士道」の明日死能のルーツみたいな感じを受けた。後半の着物の紋所の部分が雪月花の文字になっていたのがおしゃれである。丹波先生の立ち回りはワイルドでスカッとする。
あと、内蔵助と丹波先生の敵討ちに関するやり取りは、「元禄忠臣蔵」を思い出した。
お軽に化けたくノ一が、新東宝出身の扇町京子タンであったので何だかうれしい。そして堀部安兵衛がおやっさん(小林昭二)!

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